馳せる、撮る、馳せる
私は
思いに耽る
という行為こそ最上級の快楽だと考える。
失恋した時こそ、
恋人と聴きたい曲を
あえて選んで聴く。
夜空の星と星を繋ぎ、
それに飽きてぼぅっと眺めた月に
恋人を群像させる。
眠れない夜には、
卒業アルバムを取り出し、
忘れかけた思い出を独り思い起こし、
それが自分以外には忘却されてるであろう事に、哀愁を感じる。
そして毎日を精一杯生きる決意をする。
そして、朝が迎えに来る。
学生時代の数学のノートを取り出し、
せこい丸つけに可愛い自分を発見する。
自分は人間だと客観的に認識する。
今までに貰ったラブレターを読み漁る。
消えていった彼女達の想いの行き場が少し気になる。
彼女達の、今が少し欲しくなってしまう。
消えていく感動こそが
この世で1番美しい。